住宅診断とは、どんな家が対象で、どんなことを行うのか。また、それを行うメリットなどをまとめました。
そもそも、日本で住宅診断というサービスが登場したのは21世紀に入ってから。ですので、ここ10年くらいの歴史しかありません。それでも、年々利用者は増えており、診断ができる会社もたくさん出てきました。
ところで、サービスを受ける側、つまり住む人にとって住宅診断を依頼するメリットにはどんなものがあるのでしょうか。また、住宅診断の対象となるのはどんな家で、どのようなときに利用するのが適切なのでしょうか。
これらの疑問を解決できる内容をまとめましたので、ぜひご一読ください。具体的にどんな検査をするのかも、紹介しています。
住宅診断は、中古住宅の売買において契約後に起こる想定外のトラブル、欠陥や不具合などによる多額の出費を回避するために行います。
問題のある箇所が売買前に発見されれば修理や補修ができますし、購入者に安心感を与え交渉を有利に進めることができます。
診断のタイミングは大きく分けて4つあります。
1つ目は中古住宅を買うとき。契約前に欠陥がわかれば値引き交渉の材料になります。
2つ目は中古住宅をうるとき。不動産業者の査定前に行い修理しておけば査定額をアップできます。
3つ目は新築住宅を購入するとき。契約前に診断するのがベストタイミングです。
4つ目は建て替えかリフォームかを判断するとき。外壁が朽ちていても躯体まで痛んでいるとは限りません。
住宅診断の検査は建物状況調査といい専門的な講習を受けた建築士が、物件の状態、劣化などの検査を行います。
具体的に検査する箇所は、構造耐力上主要な部分である柱や基礎などと、雨水の浸入を防止する部分である屋根や外壁が中心になります。
新築住宅や中古住宅を購入する方の中には、住宅診断に対してあいまいな認識を持たれている方も多いようです。
たとえば、「住宅診断をしなくても、瑕疵担保があるから安心」や「耐震診断もしてくれるんでしょ?」といったもの。
確かに、瑕疵担保責任の保険に入る際には、建物の検査を行っています。では、瑕疵担保責任保険と住宅診断との違いとは何でしょうか?
また、住宅診断と耐震診断はどう違うのか、詳しく解説していますので、ぜひご確認ください。もしかしたら、あなたも「よくある誤った認識」をしているかもしれません。
瑕疵とは住宅の隠れた欠陥や不具合のこと。
もし、売買契約成立後、瑕疵のあると分かった場合、買主は売主に対し契約の解除や損害賠償を請求することができるのが瑕疵担保責任です。
ただ、中古住宅の売買では売主に瑕疵担保責任が問われないこともあるので、売買契約の前に住宅診断を行ったのか、瑕疵担保責任はあるのかのチェックが必要です。
住宅診断と耐震診断は検査項目がほぼ同じですが、目的が違います。
耐震診断は、現行の耐震基準に合わせ耐震性が基準以上か以下なのかを調べます。
一方の住宅診断は部位ごとの劣化や不具合の項目を調べることを目的にしています。
耐震診断は1級建築士、2級建築士などの有資格者でなければできません。
一方の住宅診断は、建築士のほかに施行管理技士や検査業務の経験者でも可能ですが、どちらにしても専門的な知識が必要です。
経験や実績があるのは勿論ですが、複数でグループが組み意見交換ができる体制があることも重要です。
費用は5~15万ほどになります。
住宅診断を実施している会社は、建築設計事務所や不動産会社、工務店、さらには診断専門の会社など、実に多岐にわたります。こうした会社のなかで、より信頼できる会社を選ぶには、どこをチェックすればよいのでしょうか。
また、1回の診断・検査にかかる費用相場はどれくらいなのか、診断を受けるのにどれくらいの時間がかかるか、といった住宅診断に関するさまざまな疑問を解決できますので、一度目を通してみてください。
住宅診断は構造上の欠陥を見つける作業のため、建築の知識が必要不可欠です。
そのため会社を選ぶときは建築の専門家、できれば建築士が担当してくれる会社を選ぶことが重要です。
また、独りよがりな結果を出されないためにグループで行動できる会社を選ぶことも大切です。
1人より2人、3人と多人数で担当したほうがより多角的な診断結果を出すことができます。
費用は診断内容によって異なります。
床下や屋根裏を点検口などからのぞいて確認するだけの基本的調査であれば5~7万円、床下や屋根裏まで入っての検査になると9~14万円ほどになります。
住宅診断は経験が重要な検査です。安すぎる費用は経験不足の担当者を派遣される可能性があるので気を付けてください。
Q;新築住宅は住宅診断も行っているし瑕疵保険にも入っているといわれましたが本当ですか。
A:新築住宅は瑕疵保険に入ることを義務付けられていますし、保険にはいるには現地調査が必要です。しかし、それでも施工ミスや不具合はなくなりません。よって、買主が独自に住宅診断をすることを考えてもよいかもしれません。
Q:買主が住宅診断に立ち会えません。どうしたらよいですか。
A:購入者本人が立ち会えることが理想なのですが、無理なようであれば家族や身内の誰かに頼む、提出された診断結果をよく読む、担当者に説明を受けるなどしましょう。
Q:住宅診断は何年おきにおこなったらよいですか。
何年に一度と決まっているわけではありませんが、購入時、5年、10年を目安に実施される方が多いと聞いています。あとは、雨漏りなど気になることがあったら住宅診断行ったほうがよいでしょう。
住宅は購入金額が大きな商品です。だからこそ間違った選択をしたくないと誰もが思うはず。しかし、家を買うときは住宅メーカーや不動産会社などの営業トークに乗せられて、本当に大丈夫なのかと不安に感じることもあるでしょう。そこで参考になるのが住宅診断。住宅診断に興味がある人の中には、「やった方がいいのかもしれないけれど費用もかかるし…」と思っている人もいることでしょう。
このページでは、住宅診断のメリットを説明します。住宅診断のメリットがわかれば、必要性も理解できるのではないでしょうか。ぜひ、ご参考にしてください。