これからの住まいには、住宅履歴情報「いえかるて」が重要になってくると言われています。「いえかるて」とは、どんなものなのか説明します。
「いえかるて」は、一般社団法人の住宅履歴情報蓄積・活用推進協議会が推進する住宅履歴情報のことです。
その家の設計や施工についてはもちろん、定期点検の報告書や改修・リフォームの実施なども記録したもので、いわば「家の履歴書」のようなもので、新築住宅だけでなく、中古住宅でも始められます。ただし、「いえかるて」のベースとなるのが新築時の設計図書や施工記録です。
これらが手元になければ正確な履歴情報が把握できず、より合理的に活用できないこともあります。
「いえかるて」があることで、どんなことがメリットとして享受されるのでしょうか。
「いえかるて」は、まず新築時の設計図書や施工記録などをもとにハウスメーカや工務店などが作ります。
ここには、構造や建材などが具体的に記載されているため、定期検査の際にメンテナンス担当者がどのような点検を行えばよいのか、また家主に対して維持管理のアドバイスなどもしやすくなります。
リフォームを行う際には、新築時の設計図書・施工記録はもちろんですが、それまでにどんな修繕や改修を行ってきたかという情報も、実はとても重要です。
これがわかることで、リフォーム計画も立てやすくなるだけでなく、予算や工期などもより正確に見積もることが可能になるとされています。
中古住宅の購入者にとって、その家の「現状」がどうなのかを不安に思っている方も多いです。
「いえかるて」があることで、これまでの修繕履歴が把握できるほか、売主がどれだけ大切に家を守ってきたかという安心感もアピールでき、売主にとっては評価アップも期待できますし、買主にとっても安心して購入できるというメリットがあります。